誘惑のクラン(血族)
あまりの飢餓感に人間の血を吸いたい欲求。


それだけが璃子の頭にあることだった。


理性が失われていく……。


璃子は眠る美菜の身体に覆いかぶさり、首に歯をあてた。


美菜は鋭い痛みに目覚めた。


自分に何が起こっているのかわからないまま耳元でズズッと何かを啜るような音が聞こえる。


璃……子……?


自分に覆いかぶさっているのが誰なのかわからない。


しだいにふわふわと気持ち良くなり、誰が覆いかぶさっているのかどうでもよくなる。


美菜の身体からどんどん血が失われていく。


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