誘惑のクラン(血族)
私が死ねば……。


璃子の脳裏に「死」が浮かんだ時、碧羽の叫び声が聞こえた。


「璃子さん! 余計なことを考えてはダメだ!」


「小娘、崇と目を合わせるな!」


璃子は尚哉に顔をグイッと逸らされた。


「お前には生きていてもらわないと困る。俺が長になるんだからな。と言っても前途多難だが」


「……」


崇と言う男に暗示にかけられたわけじゃないと思う。


だけど、このまま生きていたら碧羽くんや優真さんが……。


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