誘惑のクラン(血族)
キリッとした痛みの後に、身体がゾクゾクとする感覚。


「あぁ……もっと……お兄様……」


うっとりとした甘い声を漏らす香織は恍惚とした表情だ。


このまま吸われる快楽に身を委ねたい……そう思った時、吸血行為が止められた。


「お兄様?」


「これでは飲みづらい。手錠を外してくれないか」


「手錠は……」


「長になると言っただろう?」


口元についた血をぺろりと舐め妖しく微笑む。


その姿に香織はにっこりと顔を崩した。


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