誘惑のクラン(血族)

再会

******


「おい、おい! 小娘、大丈夫か?」


頬を軽くぴしゃぴしゃと叩かれて、璃子は瞼を開けた。



「ゆう……ま……さん」


覗き込むように見ている尚哉を、一瞬優真に間違えてしまう。


「頭を殴られたせいか? 俺は尚哉だ。優真じゃない」


尚哉が更に顔を近づけてくる。


「ぁ……」


驚いた璃子は慌てて身体を起こした。


途端に、後頭部に割れるような酷い痛みを感じて顔を顰める。


頭に手をやると、布が巻かれていた。


< 304 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop