誘惑のクラン(血族)
ズキズキする頭、血を欲して身体がドクドクと煮えたぎるような、バラバラになりそうな感覚。


尚哉から離れて少しして、璃子はバタンと古いが手入れの行き届いた床の上に横に倒れた。


「っ……はぁ……」


血が欲しい。


血が欲しい。


血が……。


キーンと耳鳴りがし、頭が割れそうに痛い。


私……どうなっちゃうの……?


こんなに苦しいのなら……あの男に殺されても……。


私は生きていたらいけないのかもしれない……。


狂い死にするのなら……こんな苦しいのがずっと続くのなら……今ここで死んでも……。


< 310 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop