誘惑のクラン(血族)
『私は必ず君を無事に覚醒させるよ』


優真さん……。


「どうする? 俺の血を美味しくいただくか? 俺も喉が渇いているんだ。崇と戦う前に補給したい」


血を飲み、外で数分も経てば刺された傷は跡形もなく消えるだろう。


この娘といるのは楽しい。


優真がこの娘を妻にすることで、自分が長になれるならばと、助けに入ったが長の座などどうでもよくなってきた。


優真を監禁してまで長にさせたい組織。


それほどまでに俺を長にさせたくないらしい。


そう思うと長の座に魅力はなくなった。


一匹狼の生活は、最近では楽しくなくなってきていた。


いや、一匹狼なわけではない。


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