誘惑のクラン(血族)
夜から明け方に近づき、うっすらと明るくなった景色。


「目が……」


意識が飛びそうになりながら、俯き目をギュッと閉じる。


優真は璃子の様子に目を細めた。


「この程度の明るさでも痛むのか……」


優真は着ていたシャツの袖を引き裂くと、璃子の目に巻く。


「少し我慢してくれ。すぐに別荘に着くからね」


そう言った優真は璃子を抱き上げると移動した。




ほどなくして3人は別荘のリビングにいた。


部屋の中は静まり返っている。


音羽はおそらく東京の長の元へ向かっていることだろう。


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