誘惑のクラン(血族)
「もちろんだよ。君が私の為に血を我慢しているのはわかっている。もう我慢しなくていいんだ。あぁ、もう傷口が無くなってしまった」


優真はもう一度手首に傷つけると、璃子の口へ持っていく。


「さあ、飲んで。気分がよくなる」


璃子は言われるままに優真の手首の傷口に口をつけた。


「ちゅ……っん……く……」


優真さんの血が私の中に入っていく……。


じわじわと体中が温かくなり……とても気分がいい……。


これが純血種の高貴な血……。


美菜の時は無我夢中で飲んでしまったけれど、こんな感じではなかった。


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