誘惑のクラン(血族)
優真は璃子に待っているように言うと、その場を離れた。


「大丈夫? 璃子ちゃん」


ソファの背もたれに顎を乗せて、碧羽が気だるそうに聞く。


「はい、たいしたことないんです」


「もしかして、兄さんに見惚れてて、つまずいちゃった?」


碧羽はニコッと笑みを向けた。


「あ、碧羽さんっ……」


「やっぱり図星? 璃子さん、顔が赤いよ」


すっかり碧羽にからかわれている所へ、氷水の入ったボウルとタオルを手にした優真が戻って来た。


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