誘惑のクラン(血族)
「あ!さっきの道にスタンドがあったよ」


璃子は思い出して言う。


「あ~、あったね。そこに行こう」


美菜も思い出し、サイドブレーキを解除すると車を走らせた。


「おかしいな~。この道であっているはずなのに……」


美菜は緑が深い林道を走らせながら眉根を寄せて呟いた。


「さっきと同じ道走っているみたいだね」


璃子もおかしいと感じ、地図と窓の外を見比べた。


牧場からホテルまで30分ほどで行けると思っていたのだが、2時間経った今もたどり着けないのは、きつねにつままれたのではないかと思ってしまうほどだ。


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