誘惑のクラン(血族)
「優真さん、もう大丈夫です」
濡れタオルを抑える指は璃子の足にも触れている。
足首の痛みよりも、ひんやりする指が触れた場所の方が気になってしまう。
「ん? あ、ああ……」
考え事をしていた優真は璃子の声に我に返り、濡れタオルを退かした。
顔を上げた優真の瞳が璃子の瞳にぶつかる。
気だるげな憂いを帯びたグレーの瞳。
その瞳に見つめられ、璃子の心臓がトクンと大きく跳ねる。
濡れタオルを抑える指は璃子の足にも触れている。
足首の痛みよりも、ひんやりする指が触れた場所の方が気になってしまう。
「ん? あ、ああ……」
考え事をしていた優真は璃子の声に我に返り、濡れタオルを退かした。
顔を上げた優真の瞳が璃子の瞳にぶつかる。
気だるげな憂いを帯びたグレーの瞳。
その瞳に見つめられ、璃子の心臓がトクンと大きく跳ねる。