誘惑のクラン(血族)
「お散歩の途中で、小石に躓いちゃって。でも、これは大げさなだけで、たいして痛くないの」


「そうなんだ。よかった」


「うん」


「で、小石に躓くくらいに優真さんに見惚れていたとか?」


美菜が璃子に、からかいの目を向けてくる。


「……そうかも……美菜! 私、優真さんがキレイすぎて、胸がバクバクって暴れちゃうの」


「本当に優真さんや碧羽くんたちって、キレイだよね?」


「うん……」


あと3日、ここにいるなんて……私、大丈夫なのだろうか……。


「あ~ 退屈。碧羽くんは台本読みしているんだよね。やることないから、お昼寝でもしようかな~」


美菜は早くも退屈しているようだ。


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