誘惑のクラン(血族)
「もう暗くなってきたね……」


璃子は辺りを見廻し、だんだんと薄暗くなっていく周囲の雑木林に不安なった。


見渡す限り外灯はなく、暗くなればますます道が分からなくなりホテルに着けなくなる。


「ホテルに電話してみようか」


璃子はピンクのバッグから携帯を取り出して数秒後、がっかりして肩を落とす。


「どうしたの?」


「圏外になってるの……」


「一度、街まで下りてみるしかないね」


美菜は車をUターンさせた。


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