誘惑のクラン(血族)

邪魔

璃子の気持ちを汲みとった優真は慎重に床の上に足をつけさせた。


「じゃあ、腕に掴まって」


まるで映画のように腕を差し出される。


「……はい。ありがとうございます」


璃子はここで拒絶も出来なくて、優真の腕に手をかけた。





ランチにも音羽は姿を見せない。


優真と碧羽は特に気にする感じもなく食べ始めた。


優真が一緒にいるせいか、璃子は正直食欲がわかない。


さっきから無意識に、璃子は水とリンゴジュースを交互に飲んでいた。


冷製のパスタはあまりおいしいと感じられず、美味しそうに食べている美菜を見るとお皿の中身は無くなりかけていた。



< 63 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop