誘惑のクラン(血族)
「ありがとうございます」


受け取って飲んだが、口当たりがいつもの水のように感じられず一口で止めた。


「食事も運ばせようか? あまり食べていなかったね」


「いいえ、大丈夫です」


そこまでしてもらうのは気が引ける。


それでなくても、私はかなり優真さんに迷惑をかけてしまっている。


貧血で倒れるなんて初めてだ。


疲れが溜まっているのかな……。


優真さんはずっと付いていてくれたの?


「あ……美菜は?」


「向こうの部屋で碧羽のダンスレッスンを見ているよ」


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