誘惑のクラン(血族)
「ごめんね。下手なナビで……」


運転する美菜に璃子は謝る。


「そんなことないよ。兄貴の車のナビが壊れているなんて知らなかったんだから」


楽天家の美菜は運転しながら呑気に言った。


不安にかられながらも林道を走っていると、突然車が停止した。


「きゃっ!」


ガクンと璃子は前のめりになったが、シートベルトのおかげで頭をフロントガラスに打たなくて済んだ。


「ど、どうして停まったの?」


きつく締まったシートベルトを緩めながら、運転席の美菜に聞く。


< 7 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop