誘惑のクラン(血族)
胸に手を置き、呼吸を整えていると美菜が璃子の様子に気づいた。


「璃子、どうしたの!?」


璃子の様子に美菜は束ねていた髪から手を離し、覗き込む。


「また貧血みたい……ちょっと、横になるね」


「うん、早く横になった方がいいよ。顔面が蒼白だもん」


璃子はシーツの上に倒れ込むように横になった。


「ひとりで大丈夫だから」


訳もなく、美菜と一緒に居たくなかった。


私の中でなにかがうごめくような感覚。


なにかが欲しくて心の底からかり立てるような何か。


私、どうしたんだろう……。


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