誘惑のクラン(血族)
「ごめん、ガス欠みたい」


「えっ!? ガソリンがなくなったの? さっき入れたばかりなのに?」


思いがけない言葉に驚いた。


「そうだっけ? ごめん。無くなったのに気づかなくて」


「そうだっけ?って……美菜、さっき入れたよね?」


「入れていないよ? 璃子、夢でも見てた? もう車は動かないから外に出てみようか。あそこに灯りが見えるから」


美菜はシートベルトを外し、璃子が何か言う前に車から出てしまった。


美菜……?


璃子は様子のおかしい美菜を追って車外へ出た。


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