誘惑のクラン(血族)
ドアがすぐに開き、美菜が顔を覗かせた。


「璃子?」


名前を呼び、ベッドの横に立った美菜が璃子の身体を揺する。


「ん……」


「大丈夫?」


璃子は目を開けた。


頭が重くたっぷり寝たはずなのにすっきりしていない。


璃子はゆっくり起き上がった。


「まだ調子悪いみたいだね?」


璃子のぼんやりした瞳を見て美菜が心配そうな顔つきになる。


「大丈夫だよ。たくさん寝ちゃった。美菜はなにをしていたの?」


元気とは言い難いが、美菜に心配をかけないように話題を変えた。


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