誘惑のクラン(血族)
頬を赤らめ、優真と話をする璃子。


彼女は昔愛した沙耶に良く似ており可愛らしい。


少なくとも彼女に惹かれている。


そんな彼女が狂う……そう思うと、やりきれない気持ちだ。


「もう一杯どう?」


優真は璃子の無くなりかけたグラスにワインを注ごうとした時、また邪魔者が来たことを知る。


そして数秒後、玄関のチャイムが鳴った。


優真にはわかっていたチャイムの音だが、璃子には予期せぬ音。


璃子は驚いてビクッと身体が動く。


「お……客様……ですよね?」


別荘地帯のこの場所に、夜8時を過ぎてやってくる人なんて……。


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