誘惑のクラン(血族)
「そうだね。妹かもしれない。ここへ来たいと言っていたのでね」
優真は立ち上がり、「ここで待っていて」と言い残し出て行った。
その後ろ姿を見つめ、璃子は小さなため息を漏らした。
妹さんがまだいるんだ……。
******
「お兄様」
優真が玄関へ向かうと、すでに来訪者はホールにいた。
「香織、なぜここへ?」
華奢な身体に白いノースリーブのワンピースを着た妹。
カラスの濡れ羽色の髪はまっすぐ腰まで伸びている。
血色の悪い唇を隠すようにひかれた赤いルージュのせいで、白い肌がより白く見える。
優真は立ち上がり、「ここで待っていて」と言い残し出て行った。
その後ろ姿を見つめ、璃子は小さなため息を漏らした。
妹さんがまだいるんだ……。
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「お兄様」
優真が玄関へ向かうと、すでに来訪者はホールにいた。
「香織、なぜここへ?」
華奢な身体に白いノースリーブのワンピースを着た妹。
カラスの濡れ羽色の髪はまっすぐ腰まで伸びている。
血色の悪い唇を隠すようにひかれた赤いルージュのせいで、白い肌がより白く見える。