スタートライン
「最大の違いは、私の感じ方だよ。
あなたには、何かをして欲しいと思うだけだった。だから、それに応えてくれないあなたに物足りなさを感じたの。それを心に溜めて言えない私もだめなんだけど。
でも違うの。彼には、して欲しい、じゃなくて。無意識に、何かしてあげたい、私が役に立ちたいって、心から思う」


「……」


「早く、大人になりたいな。
大人になることで認められるのなら、私は早く大人になりたい。
大人になったら、きっといろんなこと、分かるんだろうなぁ。もっとうまく、やれるんだろうなぁ」




「どこにいるんだよ。お前の、大切な人は」

「さぁ?海のあるところじゃないかな」

「何なんだ、それ……」


だから、私にしか分からないんだって。

可笑しいと思うなら笑えばいいよ。

決めたの。

自分の気持ちに、自分が素直になってあげなかったら、私は自分に胸をはって生きていけないから。

自分の気持ちを大切にできるのは、やっぱりまずは自分自身だもん。
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