キミがいれば
「やっべ!」

彼はケータイを持って急いで体育館から姿を消した。

「彼女からじゃね?」

部員たちは冷かし、にやけている。
俺もその一人。

「ぜってー彼女いるよなー」

いないはずない。
あんなにいい男なんて、そうそういない。

彼女がいない方がおかしい。

電話を終えて再び姿を現した彼は何事もなかったのよう。

「彼女からっすか?」
「ちげーよ。会社から」
「えー?嘘だ」
「ホントだって!」

いつものように彼の周りにはたくさんの男が囲んでいた。

なんとなくだけど、分かった気がする。

光輝君は男モテするんだな。


悲しい人かもしれないな。

今日、新たな事を学んだ俺であった。
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