キミがいれば
入学生が入ってきて一週間。

「見学しに来ました!」

体育館に集まるのは威勢のいい男ばかり。

そりゃそうだ。
だってここは「男子バスケ部」なんだから。

女が来るなんてある意味、奇跡。

「いらっしゃい」

俺は新入生をとびきりのスマイルで迎える。
そうすれば、印象が良くなる。

俺はもっとこのチームを強くしたい。

ここは実力の世界。
学年なんか関係ない。

もし、今日見学しに来た新入生の中で、すげー上手い奴は一年でも選抜に入れる。

選抜に入る事は例え、三年生でも実力がなければならない。

ちなみに俺は、二年から本格的に選抜入りを果たした。
ちょっとした自慢だ。

「なんで男しかいねーんだ…」

隣りでブツブツを文句を吐く新太郎。

「ここは男子バスケ部だぞ」
「俺が捜してんのは可愛い女の子なんだ!」

…しらねー。
付き合ってらんねー。
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