キミがいれば
どうしても勝ちたい。

理由?
単純に勝ちたいから。

今年で俺達、三年生にとっては最後の試合。
いつも三位止まりで、インターハイには行けずにいた。

今年こそは…。
去年の悔しさを胸に今まで、練習を積み上げてきた。

決勝戦にまずは行く。
それが目標。


「失礼しまーす」

職員室は独特の匂いが漂う。
コーヒとおっさんの加齢臭的なの。

この学校、生徒だけじゃなく教師まで男だらけ。

夢がなくなるな、これじゃ。


「桜井先生、いますか?」
「おー宮野。どうした」

ほーら。当たった。
予想通り、桜井は優雅にコーヒを堪能していた。

ちょっとは部に顔出せよ。
なんだかイライラしてきた。

最近はカルシウムが取れてないのか?
桜井にぶつけようのない苛立ちが溢れてきた。

俺達は真剣だっていうのに。お前は。
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