キミがいれば
「バスケ部?」
「そうです」
「ふーん。頑張ってね。資料拾ってくれてありがとう」

先生は俺に礼を言うと仕事に戻って行った。


あのひと時はなんだったんだろう。

分かんねえ、女。


「…戻ろ」

俺も幻を見たんだと言い聞かせて練習に戻った。


まだ辛うじて咲いている桜。

今、思えば…キミは桜色をしていた。

薄いピンク。

そのピンクは誰に染められていたの?

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