キミがいれば
「はいどうぞ!」

うお~。
目からうろこだ。

ただ今俺の手には可愛らしい手作り弁当があります。
久しぶりだな…。

自然と感動してしまう。

「そんなに珍しい?」
「俺ん家、作ってくれないんですよね、弁当」
「だから、購買に?」
「…悲しい男っすよねー」

なんと言われようと俺はどうせ悲しい男ですから。

あだ名は購買男でも、パン大好き人間でもいいっすよ。

「私も高校時代は購買よく行ったなー」
「先生も?」
「私も宮野君と同じような環境だったし」

俺が求めていた親近感の湧く人はきっとこの人だったんだ。

「先生って何を教えてるんですか?」
「生物よ」

…生物かよ。
なんか…意外。
数学とがビシバシ教えていそうなイメージだったから。
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