キミがいれば
「…もう止めましょ。同類の傷つけ合いは」
「そうね」

さっき一瞬でも可愛いと思ってしまった俺がバカだった。

こんな先生可愛くもない。
ただのチビだ。

もう手伝ってやんねーからな。

「俺、帰ります」
「あーうん。ありがと」
「さいならー」
「あっ!宮野君」

何?まだ何かあるの?
早く帰りたいんだけど…。

「よかったらなんだけど、いつも一人分のお弁当作ると余るのよね」

だから…?
俺に作ってくれるってか?

「宮野君のお弁当も作ってあげる!」
「は?」
「バスケ部でしょ?体力つけなきゃね」

あー…俺の夢まで壊しやがった。
その言葉は彼女に言われたかったのに…。

「…でも」
「いいの!今日のお礼の意味もあるし!」

まぁ美味しかったし…。
どうしよっかな。

弁当はいいんだけど、あんまり関わりたくないんだよ。
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