キミがいれば
「珍しいな、お前がバスケしてないなんて」

その声の持ち主は…今日もかっこいい、光輝君だった。
電気の光のせいで光輝君の茶髪の髪がより明るく見えた。

「神様…降臨してきたのですか?」
「はぁ?お前、おかしいぞ」

光輝君が神様に見えたらしい。

ホントこの時は疲れてたんだろ…きっと。

「お前…すっげー熱じゃん」

もしかして、あの先生、今日の弁当に毒入れやがったか?

どうりで体が熱いんだな。

それからの記憶はまったくなかった。



「さや…雅也!」
「…ん」

眩し…。
ここどこ?

目を開けると蛍光灯の明かりが余計に頭をガンガンさせた。

「目…覚ました?」
「…光輝君?」
「お前、急に倒れたから、心配した~」
「…ごめん」
「家に電話してもらったけど、誰もいなかったから」
「あーうち、どっちの親も帰ってくるの遅いし」

小さい頃から仕事で帰りが遅くなる両親。
小さい頃はさみしかった覚えもあるが、今はまったくない。

逆に一人の方が落ち着く。

「一人で大丈夫か?」
「大丈夫っすよ」
「ホントにか?」

光輝君ったら心配性なんだからっ!

…俺キモいな。
前言撤回しよ・・・。

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