キミがいれば
気持ちいい、鳥のさえずりで目が覚めた。

「…んー」

そっか…ここ、光輝君ん家だった。
見慣れない風景だったから一瞬焦った。

外の方から人の話し声が聞こえる。

「…はい。ありがとうございます」

…光輝君?

「今日の所は…はい。またお願いします」

誰と話してるんだろう。
光輝君は誰かと電話していた。

会社?
だろうな…。
光輝君のあんな敬語使ってるの見たことないし。


俺…今日学校行かないといけないかな。
休もっかな…。
でも迷惑だよなー。

あの先生も待ってるだろうし。
俺が行かなかったら「無駄になったじゃん!私二人分食べたんだから!」
とかあとから面倒くさい事になりそう。

しゃーねー。
行こう…。

「雅也?起きたか?」
「うん」
「学校行けそう?」
「…行くよ」
「大丈夫か?」
「多分…」
「じゃ、送ってく」

俺は光輝君の母親の作った昨日のから揚げを一つ、つまんで、制服に袖を通して光輝君の車に乗り込んだ。
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