キミがいれば
「冷たっ!冷めてんじゃん」

せっかく温まった心を冷めさせる人物がいた。
その人物は俺の発した言葉に不満そう。

「つべこべ言わない!」
「だってさー」
「文句言わないの!私のおかげで昼食代浮いてんのよ?」

お前から言い出したのにか?
別に金には困ってないし。
パンだって十分旨いし、なんたって味の保証がついてるしな。

俺は先生と一対一でお弁当タイム。
しかもなぜか向き合って。

昨日の子汚い資料室で。

おかしくない?この光景。
生徒と先生が同じ場所で、同じ弁当食って。

どう考えても問題ありありだろ。

気にしてんのか…この先生は。

ますます謎になってきた。

もしかしたらこの、今食ってる弁当にも毒が混入されてるかもしれねーし。
昨日だって先生の弁当食ってから腹が痛くなったし。

この沈黙も気まずいし。

「先生って何歳?」

仕方なく俺は続いていた沈黙を破った。
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