キミがいれば
どうだ!
お前が興味ないわけないよな。

可愛い子の事だけは…。

「可愛いの!?」
「一年だってさ」
「年下か~。年下萌えだな!」

はいはい。
ただでさえ、お調子者の新太郎は、見る見るうちに機嫌度上昇。

年下萌えとかあり得ないし。

っつか年下とか苦手。
俺より学習能力も知識も下だろ?

んー…ひょっとしたら俺よりちょっこっと頭が良い奴もいるかもしれんが…。
そこには否定出来ないな。

「可愛い子がくるよ~」と、またもボールに話しかける新太郎は、なんだか残念なイケメンにしか見えない。

俺的には、残念なイケメン=新太郎

もっと綺麗な顔を生かせばいいのに。



その時、ゆっくりと体育館の扉から廊下の光が漏れ入ってきた。
ギィーと軋む音。

黒く、小さい影。
ポニンテールしている女の子の姿。

長く、束ね上げられた髪はサラサラ。
瞳は大きく茶色い。


すぐに分かった。
多分、新太郎も俺と同様に。

「いらっしゃい、男子バスケ部へ」

俺は手をその子に差し出した。

この子が…マネージャー希望の子…。
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