キミがいれば
マネージャー
体育館に入ってきた小さな女の子は一斉に注目の的になっていた。

恥ずかしそうに下を向く彼女。

「…名前は?」

何も言わないから俺が名前を聞いた。

やっとゆっくり顔を上げた。

「…角田美奈…です」

了解、美奈ね。

俺が再び口を開こうとした…。
けど…それはある人によって邪魔された。


「悪りぃ~遅くなった」

ハァハァと息が荒れている男は…光輝君。

急いで走ってきたみたいだ。
額にはすこし汗が噴き出ている。

光輝君、頭痛いんじゃなかったんじゃ?

練習試合が近いからわざわざ来てくれたんだろうな。

マジ、感謝…でも今日は練習終わっちまった。

「遅せーよ」

俺は軽く鼻で笑いながら言った。

「何だよ!寝てたんだよ!」
「だから、今日くらいは寝てろよ」

頭痛いくせに。
無茶しないでほしい。
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