キミがいれば
「雅也、今日なんかある?」
「ないけど、なんで?」
「今日もうちに来るかな~と思って」
「何?俺、心配されてんの?」
「心配してんだよ」
「光輝君は俺の親父か!」

くだらない会話はそれから、数分続いた。
結局、光輝君の押しに負け、今日も光輝君の家でお世話になることにした。

「車乗れよ」
「なんか、俺、光輝君の彼女みたいだな」

俺は冗談で言ったのに光輝君は、

「雅也なら…俺は別にいいぞ」

真剣なまざなしで見つめてくるもんだから、一瞬本気かと思った。

「嘘だって!そんな引くなよ」

ケラケラ笑う光輝君。
そんな彼の横顔は、笑顔なんだけど、どこか寂しそうだった。


光輝君の自宅に着くと、まずお母さんに挨拶する。

「今日もお願いします」

お母さんは優しい笑顔で迎えてくれた。

「雅也、俺の部屋行こうぜ」
「あ、うん」
「二階だから」

俺は黙って光輝君の後ろについて行った。

二階の一番奥の部屋が俺達の目的地らしい。
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