キミがいれば
扉を開けると、光輝君の部屋が広がっていた。

綺麗に整頓してあって、誰がいつでも来ていいような状態だった。
俺はじっくり部屋を見て回った。

「ん?」
目に留まった物の前に立ち往生する。

トロフィーやら、MVP賞の賞状と一緒に棚に飾ってある一枚の写真。
目が留まった物の正体はこれ。

写真の中では、光輝君を囲んで中学生くらいと思われる子達がカメラ目線でピースしていた。

「あ…それね」

光輝君の言葉にはっと我に帰った。

懐かしの目で写真を眺める光輝君。

もう一度視線を光輝君から写真に戻すと、ふとある女の子に自然と目がいった。

光輝君の横で最高の笑顔が輝いていた。

どこかで見たことあるような…。
俺は必死に思い出そうとするが頭が働かない。

誰だっけ…。

「見覚えあるやろ?そいつ」
「うん。誰?」
「美奈」

え…。
俺の脳は思考停止した。

美奈…?
なんで…?


光輝君は写真の前から離れ、ベットに腰を落とした。
ギシッと不快な音が響き渡る。

「俺が美奈と出会ったのは21の時だったかな?」

光輝君は美奈との関係について教えてくれた。
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