キミがいれば
親の仕事の都合でこちらに引っ越してきた美奈。

偶然過ぎる程の出来事。

今、美奈がマネになったから戸惑っている。


と、光輝君の口はここで止まった。

俺は何も言わず、聞いていた。

何も言わなったんじゃなくて、何も言えなかったんだ。

驚きが隠せない。
誰だってこんな小説みたいな話聞いたら、驚くよな…。

俺はまだ信じられないでいた。

「あんま気にすんなよ。…雅也には知っててほしくて」
「うん…」
「ご飯、食べにいくか?」
「食べる」

光輝君は俺を見て鼻で笑った。
なぜ、笑われたのか理解出来なかったけど、ご飯が食べたかったので、全然気にならなかった。


俺はキッチンで腹いっぱいになるまで焼きそばを口に放り込んだ。

光輝君のお母さんの手料理はあっという間に俺の口の中に姿を消した。

「食べ過ぎじゃね?」
「あ~食べ過ぎた!」
「先、風呂入ってこいよ」
「わかった」

俺は先に湯船につかった。
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