キミがいれば
人通り、最後まで目を通すとパタリと音を立てながらアルバムを閉じた。

その時。
何枚かの写真が隙間から落ちてきた。

やべ…。

俺は焦りながら写真を拾っていく。

一枚ずつ、丁寧に。

最後の一枚を拾い終えると、挟まっていただろうページにそっと写真を挟んだ。


なんで、この時気付かなかったんだろう。

最後に拾った写真には…

あの人の笑顔が映っていたのに…。




扉が開くと同時に光輝君が部屋に入ってきた。

髪はまだ濡れていて、ぺったんこになっていた。

俺はそんな光輝君をみて、声を上げて笑った。

おかしくて、おかしくて。

心の底から笑った。


「もう、寝るか」
「そやね」

俺達は11時まで談笑していた。
時計の針は11時半を差していた。

光輝君は俺が寝るために布団を用意して、ひいてくれた。

俺は布団。光輝君はベット。
かすかに光輝君の家のにおい漂う布団に身を委ねた。

電気を消すと、視界は真っ暗になった。
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