キミがいれば
俺は少しの間、休ませてもらい、俺の代わりに新太郎がリーダーとなって進める試合をただ、ただ眺めていた。

センターは新太郎。

すばやいパス回しで、相手に隙を与えない。

上手くローポストにボールが入ると、二年の田辺が簡単にシュートを決めた。

シュートを決めた途端、

「ディフェンス!」

と、新太郎が声を張り上げる。

一瞬で攻撃と守りが変わってしまう、バスケ。

気を抜けない。

ディフェンスはオールコート。

きついけれど、相手にシュートを入れさせないようにガッツリと相手につく。

気の強いディフェンスで簡単には抜かせない。

相手がこちらの隙を見て、ロングパスを出した。

背の高い新太郎がそのパスをカットし、手にボールを収めた。

新太郎達は次々にゴールを決め、前半は終了した。

34-14
で、20点のリード。

後半はお前の出番だと、新太郎は俺の肩を叩いた。

「おし!」

腰を床から浮かせ、バスケットシューズをきつくしめた。

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