キミがいれば
同情してる場合じゃねぇし。

「いいんですね?」
「ああ。可愛い子にしろよ」
「…それは何とも言えませんが」

お前もか。
女は見た目じゃないんだよ。

とかかっこつけて呟いてみた。

所詮、人間は外見だからな。

職員室から出た俺に飛びついてきた新太郎。

「どうだった?」

目を輝かせながら、俺の返事を待つ。

「お前は犬か!…了解貰ったから」
「よっしゃー」

そんなに嬉しい事か?

新太郎は、まるで5歳児が欲しかったおもちゃを買ってもらった時のように喜んだ。

「可愛い子見つけなきゃな!」
「あぁ」

って言ってもどうせ居ねぇって可愛い子なんか。
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