僕らのプリンセス
×―――×
「…ん……」
目が覚めると、白い天井が視界に入った。
「…はれ、ここ…?」
ボーッとした意識のなか、そうボソリと呟いた瞬間…
「あ。司ー、春風ちゃん目覚めたみたいだよ」
誰かが私の顔を覗き込んで、そう言った。
私の視界に入るのは、赤茶っぽいサラサラとした男としては長めの髪。
そう、男としては…
「…――っ、男?!!」
咄嗟にガバッと起き上がった瞬間、辺りの様子を見て、私は一気に固まった。
「春風ちゃん何か飲むー?珈琲か紅茶ならあるよー」
そう言ってニコニコ無邪気な笑みを浮かべているのは、先程教室に現れた、茶髪に癖っ毛の男の子。
「あ、俺珈琲おかわりー」
そう言って茶髪に癖っ毛の男の子にカップを渡すのは、同じく教室に現れた金髪に短髪の男の子。
「透はもう知らない。飲むの早すぎ。…鈴は何か飲むー?」
癖っ毛の男の子に“鈴”と呼ばれたのは、またまた同じく教室に現れた男の子で、前髪の長い黒髪の男の子だ。
眠そうにボーッとしている。
そして、更にその三人がいる反対側に視線を向ければ、私の方を睨むように見ている、黒髪に眼鏡の男の人が一人。
「ひ…っ」
その眼光が怖くてビクッと肩を震わせれば、先程私の顔を覗き込んでいた赤茶っぽい髪の男の人が「ごめんねー、あいつ無愛想で」っと、私から一番近い椅子に腰掛けながらクスクスと笑いながら言った。