僕らのプリンセス


×―――×




パタンと玄関のドアが閉まり、別の部屋のドアが閉まる音だけが耳に響いてきて、漸く一人になったのだと実感する。

廊下の明かりをつけて奥に進めば、やはり広かった。

室内は1LDKだろうか。
先に送ってあった荷物は、部屋の角にひっそりと置かれている。


「凄い…、電化製品まで揃ってる…」


肩に下げていた通学鞄をベッド脇に置いて、室内を一通り見てあるく。

クローゼット、お風呂、トイレ、洗面所…


下手な一人暮らし専用のマンションより豪勢だった。
一応学食は6時~20時30分までやっているため、三食きちんと食べられるようにはなっているが、キッチンまでちゃんと完備されているのを見る限り、ちゃんと自炊もできそうだった。


「良かった…」

一応人並みに料理はできるから、どうにか学食には行かずに済む。
お昼は弁当を持っていこうと決めて、門限まではまだ時間があるのを確認し、私は学園近くにあるスーパーへ買い出しに出掛けた。




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