僕らのプリンセス
「…でたよ、鈴の天然タラシ。」
「何が、…意味分かんない」
「だから天然だっていうんだよ、鈴?」
「何…天まで」
ムゥっとする黒河君をよそに、行こっか?っと笑みを向けてくる森野君。
時間を見れば既に時刻は8時10分を指していて、そろそろ出なければ間に合わなくなってしまうだろう。
「ぅ…うんっ」
先を歩き出す三人の後を追って、私は小走りで後をおった。
「……」
不思議と、昨日より
彼らを怖いと思わなくなっていた。
×―――×
驚いた。
黒河君の席は、まさかの私の右隣だった。
最初は一瞬だけ驚いたような表情をした黒河君だけど、眠気に勝てなかったのか、席につくなり直ぐに顔を伏せて眠る体制に入った。