僕らのプリンセス
「樋ノ上春風って、何処?」
「…っ!!」
突如入り口を塞ぐようにして現れた、前髪の長い黒髪の男の子。
ぶつかりそうになった私は、寸前で踏みとどまりズザッと後方に下がる。
「ねぇ、樋ノ上春風って、何ー…「ンの、バカ野郎!!」
そんな黒髪の男の子の後ろから現れたのは、金色短髪の男の子だった。
登場と同時に
スパァーンッ
と良い音をたてて、黒髪の男の子の頭を叩く。
「痛いよ…透。」
「鈴ってば、どう見たって目の前の子が春風ちゃんでしょー」
そう言って更に現れたのは、茶髪に癖っ毛の男の子。
アハハと笑いながら私に指を指している。
「そうなの?でも女の子二人いるって…」
「いやいや、茶髪にロングってどう見たって彼女だろーが」
「もう一人の子は金髪ショートカットってはなしだしね!」
「ぇ…?え?」
私は何が何だか分からなくて、口をパクパクさせる。