僕らのプリンセス
しかも…

しかも…


「(ち、近づいてくる!?)」


何で?!
っと、自問したところで答えは勿論分からない。


「凄いね、二人とも」

「いやいや、鈴…気付け?高等部の女子は二人だけだからな?」

「無駄だよ透、鈴は興味ないことは基本聞いてないからねー」


三人でそんな話をしながらも、しっかり近づいてくる。
後ろに下がりながら、逃げ道を探す私。


「(あそこだ…!)」

三人から逃げようと、他の生徒がいない方から廊下を目指すべく走り出す。


が、


「ぁ、まって」


パシ…ッ


いとも簡単に、私の手は黒髪の男の子の手に捕まれた。



「!!!」



男に触られた。
そう理解した瞬間に、ゾワゾワとした感覚…悪寒が、身体中を駆け巡る。



「一緒に来て」

「ぃっ…、い…っ」


ドクドクと恐怖で高鳴る心臓。

私の様子の変化に気付く、目の前の黒髪の男の子。










「嫌っ…ーーー男、嫌ぁぁあーーーーー!!!」







そこで、私の意識はプッツリと途切れた。






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