Your Voice -同じ青空の下で-
私は愁のギターを担いで音楽室へ向かった。
中に誰もいなくて丁度良かった。
時計を見ると、HRまで15分ほど時間がある。
楽譜を見ながら、ギターで弾き始める。
歌を歌おうとすると、声が思わずかすれてしまう。
つまり、口パク。
「やっぱ、 すぐには無理かぁ〜」
誰もいない音楽室で1人つぶやいてみる。
家でも練習したいから、新しい弦買わないと…。
そんなことを考えながら、ギターをそうっとケースの中にしまう。
そして、駆け足で教室へ向かい、教室のロッカーの上にギターを置く。