Your Voice -同じ青空の下で-


「ギター、いつになったら返してくれんの?」


いきなり、後ろから声がした。


「…放課後」


「取りに行くから」


「うん…」


後ろを向くと、愁はもういなかった。


昼休みの残り時間は10分。


「教室戻ろ」


教室ではもうすでに愛華が戻っていて、他のクラスメートと楽しそうに会話をしていた。


「あっ、楓香ちゃんおかえりー」


教室の奥のほうにいた愛華が私に気付き、大きく手を振ってきた。


私も、思わず手を振り返す。


「何話してたの?」


私の質問に愛華は少し顔を赤くし、彼氏のノロケ話、と小さく答えた。


「えぇ!?愛華、彼氏いたの!?」


私が驚いていると、愛華と一緒にいた2人の女の子がいきなり吹き出した。



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