Your Voice -同じ青空の下で-


忘れた…?そんな訳ないよね。


もう諦めて帰ろうとした時、


「悪りぃ、寝てた」


突然現れた愁に、私の心臓がドキンと音を立てる。


「遅い!どれだけ待ったと思ってんのっ」


「だから、悪りぃって言ってんだろ」


そう言って、ダルそうに1つあくびをした。


愁っていつも眠そうな顔してる気が…。


「ギター」


「へ?」


「だから、ギター」


「あっ、はい」


差し出された手にギターを渡す。


「音楽室、寄ってく?」


突然いたずらな表情を向けられ、戸惑いながらも静かにうなずいた。


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