指先から伝えて


「それ、あげた子が聞いたら泣くよ」


少しふざけて言ったのに、


彼のまっすぐな瞳に熱がこもる


「、」


もう、放課後にあげようとしてたのにとか


今日は素直になろうと思ってたとか、全部よくわかんなくなって。


「あーもう!!」


制服のポケットかららラッピングされた小さな袋を、彼の胸に押しつける。


「え?」



彼がビックリしたように目を見張る。


「そっちが欲しいってうるさいから…!」


そっちがうるさかったんじゃない。…それより



「なんですかこれ」


「ん?可愛すぎて、つい」


「けんか売ってんですか」


「まさか」


「じゃあなんで、だっ抱きしめるんですか!!」


あー恥ずかしい…



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