指先から伝えて
そんな私をみてさらに抱きしめる力を強めた。
「からかわないで下さい」
「俺はいつでも本気ですが」
「はい?これのどこが…」
「好きなんですよ。…分かってるくせに」
拗ねたような言葉とともに彼の唇に塞がれる、私のソレ。
ゆっくり離れた彼のソレは、ゆるりとした孤を描いていた。
…やっぱり私も素直になろうか。
暴れる心臓を押さえつけて彼を見上げる。
「知りませんでしたよ」
本当に。私だけ、私だけが…
「私ばっかり、いつもドキドキしてると思ってました」
その言葉にふっと笑った彼は、
「なわけないだろ」
私の手をとって彼の左胸にもっていった。