きすはぐあまこい
はじまりは、チューで
「…そうと決まったら、まずはアレだな」
「アレ?」
わたしは変に口角を上げる国原に首を傾げる。
「いいか?瑞奈」
国原は鼻高々で得意げに話し出した。
「沢木といったらこの学校きっての前代未聞の変人!そう、変人なんだよ!変「…否定は出来ないけどそこまで言う必要ないでしょうが。このおバカ」
一発喰らわすと国原はすっかり大人しくなった。
ふん。ざまあみろ。
「…そして沢木といえば、モテモテのアーティストだということ。ライバルは沢山いるんだ。わかってるよな?」
「…うん」
そうだ。F組で1番可愛い子だって沢木くんを狙ってるって聞いたことがあるし、もちろんこのD組にも沢木くんを狙ってる子は少なくないはず…。
自分なんかがそんな子たちを相手に戦えるのかと思うと、何だか気が沈んでいくのを感じる。